殺人鬼と宇宙人とうさぎ。

かぼちゃの馬車(1983/星新一・著)


28編のショートショートが収録されています。

なるほど』はとある家に押し入り、家財を壊してまわったあげく火まで放った犯人が、裁判所で「自分は宇宙人である」と証言したために世間が混乱する話。このオチにはまさになるほどと唸った。

とある老人が死に、通夜のあと生き返る『厳粛な儀式』。友人、淡々としすぎ。ブラックユーモアが好きです。

外見
のちのレポゼッション・メンである。

いい話かと思わせておいてゾワッとさせてくれる『』。植物は人間に利用されているのではなく、人間を利用して繁栄しているのだという説があるけどまったくその通り。

自分の家に強盗に入る計画を立てた泥棒と、それを知らない四人の仲間の行く末を書いた『七人の犯罪者』。
はた迷惑な負のスパイラル。この制度は辺りが犯罪者だらけになりそう。

完璧な個人識別装置をめぐる話、『確認』。
『番号をどうぞ』とちょっと似てるかな。オチは違うけど。

会員同士の繋がりを瞬時に探しだして話題のきっかけを提供してくれるという『ナンバー・クラブ』。確かに便利だけど、そんな中毒になるほどのもの!?
「この間ギリシャに行ったよ」
「ふうん。ぼくは行ったことないな」
から話題を展開できないのは明らかな本人の怠惰を感じる。同じ話題を持つもの同士でしか喋りたくなくて、努力を放り出してるみたいで寂しいですね。
利便性を追求した機械が人と人との間に割り込んだ結果、人間本来の思考力が衰えるという点で『確認』と通じる部分がある。

うってかわって脱力系オチの『若返り』は分かってても笑っちゃう。

二ヶ所を一度にどんでん返す、華麗な匠の技が光る『処刑場』はすかっとする読後感。

質問と指示』は多額の借金を抱えた不運な男のもとへ妖精がやって来る話。ところがこの妖精、自分が何をつかさどる存在なのか自分でもわからないと言います。
これじゃ何を頼めばいいのかと男はこの妖精を大いにもて余してしまうわけだけど、きっと私も同じ末路を辿るだろうな…。
私も男と同じように、質問ばかりを繰り返してしまいそう。ここでびしっと行動できる人だったら最初から妖精なんかいなくてもうまく生きていけるんだろう。

最後の台詞にびっくりした『悪魔の椅子』。星さんがここまでストレートな物言いをするのは珍しい……!?

治療後の経過
のちのSTAP細胞である。

憐れさを誘うほど醜い女がとある美的変化サービスを受ける『かぼちゃの馬車
変身前の彼女をシンデレラでもガラスの靴でもネズミでさえなく、かぼちゃに例えるところが容赦ない。

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